週刊少年ジャンプ連載漫画「背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~」作者、横田卓馬先生の最速独占インタビュー!!「小鳥の小部屋」


「小鳥の小部屋」 第1回 横田卓馬(漫画家)

ついに週刊少年ジャンプにて連載が開始された「背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~」。
競技ダンス漫画としては初の週刊連載、しかも数々の名作を生み出してきた週刊少年ジャンプという事で、既にダンス界のみならず一般の漫画ファンの間でも注目を集めている。

漫画ファンからも熱い視線が注がれている大きな理由は、作者の横田卓馬先生の存在である。

横田先生はWeb上にて「オナニーマスター黒沢」などを発表(YOKO名義)し、一躍人気作家となる。その後も様々な作品を経て、2011年に週刊少年ジャンプにて「競技ダンス部へようこそ」を読み切り掲載。そしてその直後に月刊ヤングマガジンにて「戦闘破壊学園ダンゲロス」の連載を開始した。

「ダンゲロス」の連載中にも、「こがねいろ」(週刊少年ジャンプ)、「夏と神輿と巨大怪獣」(ジャンプLIVE)、「獣の女王」(ヤングエース)、ももクロ新アルバム漫画「収録曲をモチーフにPVみたいなマンガを描いて! あ、でも1話4Pしかないや」(週刊ヤングマガジン)などを短期連載。
その他にも「お色気漫画なんてかけねぇよ」をビッグコミックスピリッツで掲載するなど、多数の雑誌に次々と作品を発表していった。

そのアグレッシブともいえる執筆活動と表現力豊かな作画で、各所から引く手あまたの活躍を続けている横田先生。
そんな横田先生に、連載開始直前の多忙な中、都内某所にて単独インタビューに応じて頂きました。

「背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~」初のインタビュー、どうぞご覧下さい!
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ダンスマガジンAudrey・小鳥翔太(以下小鳥) お忙しいところありがとうございます。この度は「背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~」の連載、おめでとうございます。本日はよろしくお願い致します。

横田卓馬先生(以下横田) ありがとうございます。よろしくお願い致します。

 

◆なぜ今、「競技ダンス」なのか?

小鳥 まず、今回の連載が「背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~」という事なのですが、なにか「競技ダンス」をテーマに選んだ理由というものはあるのでしょうか。

横田 実は、僕が小学生くらいの頃にウッチャンナンチャンのテレビ番組で「ウリナリ社交ダンス部」のコーナーをやっていたんですが、それを好きでよく見ていたんです。その素晴らしい世界観というか…番組の構成とかも含めて大好きだったので、その頃から、これはマンガにしたら面白いのではないかと思っていました。

小鳥 それでは、この作品を描き始める以前の「社交ダンス」&「競技ダンス」のイメージは…?

横田 もう、まんま「ウリナリ社交ダンス部」ですね。社交ダンスというとよく出てくるような、ゆったりしたイメージではなく、ナンちゃんとか天野君が笑いながら楽しく踊っている、そんなイメージしかありません。

小鳥 それは良い意味で意外でした。一般の方からは、社交ダンスは年配の方々が健康のためにやっているとか、ご高齢者の趣味の一つという感じで話を頂くことが多いので。

横田 あ、そういうイメージは本当に全くないですね。どちらかというと、若い人たちが笑いあり涙ありで明るく華やかに踊っているイメージです。

小鳥 そう言われるとこちらとしては嬉しいですね。その明るいイメージを漫画にして頂けて本当に感謝しています。

横田 でも、当時は小学生でちょっとそこまで描けなかったので。長い間ずっと、いつかやれたら絶対面白いのになー、と思っていました。

小鳥 ということは、以前に読み切りで「競技ダンス部へようこそ」としてダンス漫画を掲載されていましたが、あの時は既に準備が整っていたのでしょうか。

横田 あの時は、今ならできるかな…と思って一度描いてみました。自分の考えや、こういったものにしたいというイメージもできていたので。

小鳥 そうだったんですね。あと、作品のイメージということで言うと、横田先生は他にも前作の「ダンゲロス」やネットで好評を博した「オナマス」、そしてジャンプで短期集中連載された「こがねいろ」など様々なジャンルの漫画を描いていらっしゃって、作品毎に印象が全く違います。その異なる世界観の表現が素晴らしいと思っているのですが、今回の作品は爽やかな青春漫画になっていきそうですね。

横田 そうですね。実は、僕は描きたいテーマがたくさんあって、その中の一つが「競技ダンス」だったんですね。でも、それだけではなくて、「ダンゲロス」のような能力バトルものも描きたい、「こがねいろ」のような青春路線も描きたい。これから先も色んなものを描いていきたいと思っています。
まぁ、僕は基本的には青春路線が好きだし、今回は「競技ダンス」がテーマなので、たぶん青春路線になっていくのだと思います。

 

◆「競技ダンス」未経験者が描く、「競技ダンス」。

小鳥 最近の競技ダンス漫画では、月刊少年マガジンで連載されている「ボールルームへようこそ」(作:竹内友)や、つい先日ジャンプNEXTに読み切り掲載された「ダンスウィズミー!!!」(作:青沼裕貴)などの作品がありますが、両作とも作者は競技ダンス経験者でした。競技ダンス未経験者がダンスを描いていくということは、大変な点もあるのではないでしょうか。

横田 はい、たくさん(笑)。ポーズとかダンスの技術的なことはもちろんですが、作画でいうと、ドレスを描く…というかまず考えるのが大変ですね。ドレスメーカーのチャコット様へ見学に伺い、たくさんのドレスを見せて頂いたのですが、まず構造が全く分からない(笑)。あと、見せて頂いたドレスをそのまま描くわけにはいかないので、そこから自分で考えなければいけないのが大変です。

それに、正直に言うと、実はそこまでドレスにこだわって描いていない…と言ったら変ですけど、「ドレス漫画」ではないので。そこじゃない…というか、本当に描きたいところは違うよと。あ、とはいっても、もちろんドレスをはじめ細かいところも手を抜かないで描いています。

小鳥 いや、自分としては第1話目のドレスもすごくステキに描かれていて、素晴らしいと思って拝見していました。あと、ドレスのことでとても印象に残ったのは、今回の巻頭カラーの見開きページのドレスです。
理央ちゃんが着ているドレスの色が深い紫(~黒に近いもの)だったんですが、これはとても驚きました。新連載の巻頭カラーで見開きのページだから、ドレスの色は赤や黄色などの華やかで煌びやかな色にしてくると思っていたのですが、濃紺のシックなドレスが「高校の先輩が持つ大人の雰囲気」という感じをグッと醸し出していて、一瞬ドキッとしてしまいました。
それと、見開きの全体的なイメージも、無駄に色を多用するのではなくその場を表現するのに必要最低限の色を使用している感じがあり、自分としてはとても好印象でした。

背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~

横田 それはまず僕の好みもあって、単純に落ち着いた色が好みなんですね。そして、そもそも普通は新連載の見開きのページって、主人公がメインでカッコつけてジャーン!みたいなものが多いじゃないですか。今回はそういう点でいってもちょっと異質というか、まず主人公よりもサブキャラが大きく出ているいうのもあんまりないんじゃないかなーと。
だってだいたい、主人公まだ何もできないじゃないですか。何もできないキャラをドン!と持ってきても…と思って(笑)。確かに、その辺りはこだわりましたね。

 

◆「鹿高競技ダンス部」のこれから。

小鳥 これから先、主人公の土屋君とヒロインの亘ちゃんが競技ダンスに出会うことでどのように成長していくのかがとても楽しみなのですが、本作全体を通してどのようなものを描いていきたい、またどのような作品にしていきたいという構想はあるのでしょうか。

横田 えっと…それはやっぱり、そのー、ちょっと…分からないです(笑)。あ、というのも、もちろん大体こうしようというのはあるんですけれども、描き進めていくうちに、必ずしも自分の思っていた方向に進むとは限らないので。
あとはそうですね…読者の方からの意見で、もっとダンスを見たいと言われればダンスを描くし、もっと主人公とヒロインの恋愛ものが見たいと言われればそういう方向に比重を持っていくと思います。

小鳥 そこは前作のダンゲロスとは大きな違いですね。

横田 そうですね。ダンゲロスは完全に一本道で、ゴールを目指してやっていく感じだったので。
あ、そうだ。実は今、5話目のネームを描いているのですが、自分がこの作品を始めるときに想像していた、「5話目ってこういう感じだよね」っていうものと全く違うんです。自分で思っていたのと全然違うということを実感して、「あ、これが週刊連載か…!」と。
それは、やっていく中で、自分で「あれ、こっちの方が良いんじゃないか」という気づきがいくつもあって、変化していきました。もちろん担当の方と相談して進めていくのですが、指摘をされた時に、自分でも「あ、本当だ」と納得したものを採用して修正していきます。
そうすると、想像していたものとは少しずつ変わってくるんですよね。でもやっぱり「担当の方に言われたから、はい変えます」じゃなくて、指摘を受けて、自分でも「そっちの方が面白い」と本当に思うから、その部分を変えていっています。正直、担当の方の指摘もとても的確なので(笑)

小鳥 少しずつの修正や長い間の推敲が作品を作り上げているのですね。先生たちが考え抜いて生み出された「背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~」、これからの展開がとても楽しみです!

 

◆横田先生からダンス愛好家の方へ

小鳥 あ!最後に、ダンスをやっている皆様に対して何かコメントを頂けますでしょうか。

横田 えー…、そうですね、「これは漫画です」というものを踏まえて見て頂けると嬉しいと思います(笑)やっぱり現実と全く同じではなく、脚色してあるよと。

小鳥 そこですか(笑)。漫画だから細かいところは気にしないで読んで下さいということですね(笑)。それにしても、いつも思うのですが、先生はダンス愛好家の反応をとても気にされてますよね。

横田 それは気にしますよ…。細かいところを注意されたりしたらキリがないですから。おおらかな気持ちで読んでほしいです(笑)。

小鳥 はい、海のように広い心で拝見したいと思います(笑)。

横田 お願いします!
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短い時間のインタビューでしたが、横田先生はとても穏やかに、ですがはっきりと質問に答えて頂きました。漫画に対してとても情熱を持っていらっしゃる方で、真剣に漫画に取り組んでいるのだという姿勢が強く伝わってきました。

横田先生、連載が始まる大変お忙しい時期にお時間を頂き、本当にありがとうございました。ダンス界としても全力で応援していきたいと思っていますので、これからも頑張って下さい!

横田先生インタビュー
※インタビュー時の風景

 

文:ダンスマガジンAudrey プロデューサー兼編集長/小鳥翔太